「安城百景６３ 池浦町 明治緑道（画流三）」

昔、絵の仲間と飲んでいるとき、女性から

岩瀬さんみたいな不良になってみたい、と言われたことがあります。

俺って、不良だと思われているの？

みんな言ってますよ。

唐突で驚きましたが、言われてみるとそうかもしれないと。その当時、僕の仕事は道路、公園など公共用地の買収でした。用地交渉というのは結果がすべてで、コツコツと事務を進めていく仕事とは違いがあります。今では笑ってしまいますが、若さゆえに粋がっていたのかもしれません。

不良というのは簡単にはなれないよ。それなりの努力が必要だから。

その努力を教えてほしいです。

まず、常に物事を斜めに見ましょう。そして、自分の方が正しいのだという根拠のない自信ですね。特に上司と意見がほぼ違うのが、不良の条件です。

難しいな。

だから、あなたには無理です。

・・・・。

そして、とんがって周りから怖がれていても、たまには優しく接する。ここが味噌です。

味噌？

いつも優しいと周りの感謝が薄くなります。そして、いつも優しい人は不良には不向きです。

じゃあ、不良になるのはやめておきます。

あれは、何だったのでしょうか？

今回スケッチした明治緑道は、安城市に数ある施設の中で自慢していいものだと思います。かつて都築弥厚が計画した明治用水のおかげで、荒れた土地は農地となり、その水は紡績工場にも使われました。安城市の発展は明治用水のおかげです。

僕が子供のころ、田植えが始まる前には用水がごうごうと音を立てて流れていました。その後、危険だということもあり、用水に蓋をして明治緑道が作られました。明治用水は安城市を北から南へ縦断しています。ここを歩いたり走ったり、自転車に乗ったりして皆さんが行き来するのを見ていると、都築弥厚から贈られた明治用水は次の世代にも恩恵を与えてくれるように思います。